肥満は良くない。生活習慣病だけでなく、大腸がんリスクにも影響します
はじめに
「最近お腹が出てきた気がする」
「体重が気づかないうちに増えていた」
そんな変化は、将来の健康に関わる大切なサインかもしれません。
肥満は、糖尿病・高血圧などの生活習慣病と関係するだけでなく、大腸がんを含むがんの発症リスクを高める可能性が指摘されています。
本記事では、肥満と大腸がんの関係性、そして生活習慣を見直すためのポイントについてわかりやすくお伝えします。
BMIとは?まずは自分の状態を知るところから
BMI(Body Mass Index)は、身長と体重から算出し、肥満度を判定する際に使われる指標です。
日本では、BMIが25以上の場合に「肥満」と判断されます。
※BMI 22前後が病気のリスクが最も低い体重の目安とされています。
BMIの計算方法
BMI = 体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)
例:身長172cm・体重70kgの場合
70 ÷ 1.72 ÷ 1.72 = 約23.7
「少し体重が増えたかも」と感じたら、まずは一度BMIを確認してみましょう。
なぜ肥満が大腸がんのリスクになるのか?
肥満の中でも、内臓脂肪が多い「内臓脂肪型肥満」は、大腸がんをはじめとする病気のリスクが上がる傾向があるとされています。
その背景には次の仕組みがあります。
- ホルモンバランスの変化
脂肪組織から分泌されるホルモンや生理活性物質が変化し、細胞増殖や炎症を促す可能性があります。 - 慢性的な炎症・代謝異常
内臓脂肪の蓄積により、インスリン抵抗性や慢性炎症が起こり、腸の粘膜に悪影響を及ぼすと考えられています。
つまり、見た目では問題がなくても、体の内部では徐々に“がんができやすい環境”が進んでいる場合があるということです。
体重管理だけでは不十分。生活習慣を総合的に整えましょう。
肥満を改善・予防するためには、体重を減らすことだけでなく、生活習慣全体を整えることが重要です。
特に次のポイントを意識しましょう。
- 食事
食物繊維を多く含む野菜・海藻・豆類を意識して取り入れる。
高脂肪・高カロリー、加工肉や赤身肉の過剰摂取は控えめに。 - 運動
ウォーキングや階段使用など、無理のない範囲で継続することが大切です。 - 睡眠・ストレス管理
睡眠不足やストレスは代謝に影響し、体重が増えやすい状態をつくります。 - 定期的な健康チェック
健康診断や便潜血検査、必要に応じて内視鏡検査で状態を確認しましょう。
こうした生活改善は、大腸がん予防につながるだけでなく、他の生活習慣病のリスク低減にも効果的です。
早めの“気づき”と相談が未来の安心につながります
「まだ若いから大丈夫」「そこまで太っていない」
そう感じていても、内臓脂肪は気づかないうちに増えていきます。
特に次のような場合には、一度医療機関へ相談することをおすすめします。
- BMIが25に近い、または越えている
- お腹まわりが以前より気になる
- 食事や生活リズムが乱れがち
- 健診結果で指摘が増えてきた
不安や疑問があれば、早めに相談することで生活習慣改善のヒントが見つかる場合があります。
まとめ
- 肥満、特に内臓脂肪の蓄積は、大腸がんや生活習慣病のリスクを高めます。
- BMIやウエストを目安に、自分の状態を把握することが大切です。
- 食事・運動・睡眠など生活習慣の見直しは、将来の健康につながります。
- 気になることがあれば、早めの相談・検査が安心への第一歩です。
当院では、生活習慣の見直しについての相談や、必要な検査の受診支援も行っております。
「気になるけれど何から始めればよいかわからない」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。


