「症状が軽いから様子見」は本当に安全?大腸の病気の落とし穴
はじめに
「少しお腹が張るけれど、我慢できる程度」
「便秘や下痢があるけれど、いつものことだから」
このように、症状が軽い場合、「しばらく様子を見よう」と考える方は少なくありません。しかし、大腸の病気の中には、症状が軽い、あるいはほとんど症状がないまま進行することがあるものもあります。
今回は、「症状が軽いから大丈夫」と思ってしまいがちな大腸の病気の特徴と、なぜ早めの検査が大切なのかについて解説します。
大腸の病気は“症状が軽いまま”進行することがあります
大腸は、多少の異常があっても強い痛みや不調が出にくい臓器です。そのため、次のような症状があっても見過ごされがちです。
- 便秘や下痢を繰り返す
- お腹の張りや違和感が続く
- 便が細くなった気がする
- 排便時に紙や便器に血がつく
- 排便後もすっきりしない
- 体重が減少した
これらは一時的な体調不良や軽微な疾患、あるいは加齢のせいと思われることも多いですが、大腸ポリープや大腸がんの症状であることもあります。
特に初期の大腸がんは、自覚症状がないケースがほとんどです。
「様子見」がリスクになるケースとは
症状が軽い場合でも、病気が隠れている可能性があり、注意が必要な場合があります。
次のような場合は、注意が必要です。
- 症状が数週間〜数か月続いている
- 良くなったり悪くなったりを繰り返す
- 市販薬で一時的に良くなるが、完全には治らない
- 年齢が40歳以上
- 親や兄弟など血縁者に大腸がんにかかった方がいる
大腸ポリープやがんは、時間をかけてゆっくり進行することが多いため、「症状が軽い」「症状が変化しない」ことは安心できるサインとは言えません。
便潜血検査が陰性でも安心できないことがあります
健康診断や人間ドックで行われる便潜血検査は、大腸がんの早期発見に役立つ検査です。しかし、すべての病変を見つけられるわけではありません。
- 出血していないポリープ
- 小さな病変
- 出血が一時的な場合
このようなケースでは、便潜血検査が陰性でも異常が隠れていることがあります。そのため、症状が続く場合には、便潜血の結果にかかわらず精密検査が必要になることがあります。
大腸カメラで分かること
大腸カメラ(下部内視鏡検査)では、肛門から細いカメラを挿入し、大腸の奥まで直接観察します。これにより、
- 小さな大腸ポリープ
- 炎症や出血の原因
- がんの早期病変
などを詳しく調べることができます。
必要に応じて、その場で組織検査やポリープ切除を行うことも可能で、診断と治療を同時に行える点が大腸カメラの大きなメリットです。
検査が不安な方へ ― 当院の取り組み
「大腸カメラはつらそう」「痛みが心配」「恥ずかしい」という理由で、検査をためらう方も多くいらっしゃいます。
当院では、経験豊富な内視鏡専門医が検査を担当します。また、鎮静剤を使用してウトウトしている間に検査を終える検査にも対応しています。検査時にはお尻側にスリットの入った検査専用のディスポの短パン(膝までの丈)を使用いただきますのでお尻が露出することはありません。検査前後の説明やサポートにも力を入れ、初めての方でも安心して受けていただける体制を整えています。
早めの検査が安心につながります
大腸の病気は、早期に見つかれば治療の選択肢が広がり、体への負担も少なくて済みます。また逆に病気がないことが確認できれば、安心して生活することが出来ます。
「症状が軽いから」「もう少し様子を見よう」と思っている間に、検査のタイミングを逃してしまうケースも少なくありませんので、
- 症状が軽くても続いている
- 40歳を過ぎている
- これまで一度も大腸カメラを受けたことがない
このような場合は、一度検査を検討してみることをおすすめします。
まとめ
- 大腸の病気は、症状が軽いままゆっくりと進行することがあります
- 「症状が軽い」「症状が変化しない」ことが安心につながらないケースもあります
- 便潜血検査だけでは分からない病変もあります
- 大腸カメラは早期発見・早期治療に有効な検査です
- 病気がない場合は、それが大腸カメラで確認できれば大きな安心につながります。
当院では、患者さまの不安に配慮しながら、大腸カメラ検査を行っています。「検査が必要か迷っている」という段階でも構いませんので、どうぞお気軽にご相談ください。


